能登半島地震で甚大な被害を受けた珠洲市直(ただ)小、みさき小、三崎中の3校は11日、延期していた3学期の始業式を行い、授業を再開する。いずれの学校も体育館が避難所になっており、市教委は教室がある建物の安全を点検し、授業が可能と判断した。奥能登2市2町で学校が再開されるのは初めて。残る市内8校も再開を目指し、子どもたちの学びの場を早期に確保する。
珠洲市内では9日に小中学校の始業式が予定されていたが、1日に発生した地震で学校施設が避難所として使われるようになり、実施を見合わせていた。
●市内の児童生徒560人全員が無事
市教委によると、市内に11ある小中・義務教育学校の児童生徒は560人で、教職員は約200人。全員の無事を確認している。保護者とともに市外に避難した子どももいて、市内に残る児童生徒は直小が約40人、みさき小が約20人、三崎中が10人前後という。
直小は体育館・一部の教室、三崎中は体育館に避難住民が身を寄せるが、児童生徒の授業スペースを確保できるため、再開を決めた。みさき小の児童は三崎中校舎を使い、当面、小中とも授業時間は午前9時から正午までとし、スクールバスの運行も予定する。
直小の体育館で避難生活を続ける6年の杉野萌々華(ももか)さん(12)は、被災家屋から持ってきたランドセルに筆記具や学習ドリルを詰め込み「友だちと会えるのがうれしい」と話した。妹で4年の菜那(なな)さん(10)は「まだ冬休みの宿題が終わってないので、きょう(10日)中に頑張ってやる」と笑顔だった。