〈1.1大震災〉もち、菓子売れ残り大量 氷見市内の各店が苦慮

地震の影響で売れ残ったもちや菓子=氷見市内の菓子店

  ●年始用、納入先なくなる

 能登半島地震で被害に見舞われた氷見市内の菓子店が、大量に売れ残った年始用のもちや生菓子の在庫を抱え、頭を悩ませている。多くの家庭や事業所が被災し、販売の拠点となっている観光施設「ひみ番屋街」の全面営業再開の見通しも立たないため、売り先がなくなった。富山市内では11日から在庫ロス解消を目的とした復興支援フェアが始まり、支援の輪が広がっているものの、各店の売り上げ減少は避けられない状況だ。

 上泉の菓子店「ニューちどり」では11日、氷見産ハトムギ粉を生地に混ぜてブリの形に焼いた「きときと ぶりっ子サブレ」の詰め合わせ約30箱が山積みになっていた。年始にひみ番屋街で販売するため用意していたが、一部テナントを除き休業となっているため納入できなくなった。

 ほかにも贈答用の酒まんじゅうやロールケーキ、とぼ餅などの在庫が大量にある。金井留美社長は、企業も個人も新年のあいさつを控える傾向にあるとし「売り先がなくて困っている」と嘆いた。

 年間約120万人が訪れる、ひみ番屋街は富山県内有数の観光施設として知られ、寒ブリが水揚げされる冬季は観光客が特に多い。土産物などを売る店にとっては書き入れ時だが、地震による液状化現象で駐車場の大部分が使えなくなっている。

 鞍川の松木菓子舗では、ようかんをトッピングした和菓子「蒸(むし)ヨンカク」などの商品が売れ残っている。ひみ番屋街のほか宿泊施設の休業も打撃となった。松木功太代表は年始の売り上げは例年の1割程度とし「この状態が長く続くと思うと頭が痛い」と話した。

 ニューちどり、松木菓子舗を含む氷見市内の約10店舗は、11日から富山市で開幕した「特産品で応援!がんばろう富山フェア」で商品の販売を始めた。

© 株式会社北國新聞社