受験シーズン直前!感染症対策のプロに聞く インフルエンザやコロナに負けない“合格必勝法”

1月13日から「大学入学共通テスト」が始まるなど、受験シーズンが本格化します。インフルエンザや新型コロナウイルスなどの感染症にかからないためには、どうすれば良いのか。静岡県の新型コロナ対策の中心に立ってきた、県感染症管理センターの後藤幹生センター長に聞きました。

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Q.今、感染症はどんな状況になっていますか?
「今、コロナウイルスとインフルエンザが流行しています。正月のお休み期間中にかなり人が移動し、新幹線もいっぱいだったという話ですので、そこで感染をもらった人が帰ってきて発症してるという状況です。年明けで急にコロナウイルスの感染者数が上がってきまして、インフルエンザもまだ結構多いという状況が続いています。また、ノロウイルスが主体だと思いますが感染性胃腸炎、お腹の風邪。吐いたり下痢したりする風邪もだんだん流行ってきています」

Q.冬には何か傾向はありますか?
「お正月で人が移動して、多くの親戚や友人と会って、そこでお互いにうつし合いをするので、どうしても1月はコロナもインフルエンザも例年増える月になっています。1月下旬から2月にピークを迎えると思います」

Q.今注意するべきことは?
「コロナもインフルエンザも飛沫。咳やくしゃみをした人の飛んできたものでうつりますので、やはり人混みではマスクをつけて、多くの人が集まる部屋は定期的に30分に1回とかは窓を開け放ってほしい。また、感染性胃腸炎は触って口にうつることが主体ですし、インフルエンザも意外と咳やくしゃみが飛んだテーブルを触って手について、口や鼻を触ってうつることが多いので、手洗いをしっかりしてほしい。人が多いところに行った後、食事の前、トイレの後には、しっかり手洗いをお願いしたい。石鹸を使って水を流して30秒以上洗っていただきたいと思います」

Q.気をつけるべきは、やはり人が集まる場所で人が触るもの?
「手洗いをするべき時にしっかり手洗いするでいいと思います。ただ、かかりたくないと強く思う人はマスクをしっかりつける。あのコロナの頃を思い出して、しっかりマスクをつけるのが大事だと思います」

Q.やはり基本が大事ということでしょうか?
「そうですね。今、インフルエンザもコロナも両方とも流行っているので、インフルエンザで医療機関にかかって、またコロナをもらってしまう場合もあるかもしれない。医療機関にかかる時もマスクをしっかりお願いしたい」

睡眠時間はしっかり確保 逆算して勉強時間を作ろう!

Q.受験生の皆さんがこの時期に気をつけるべき、考えておくべきこと、心がけるべきことは?
「試験の時に十分、自分の実力を発揮するためにも、また、しっかり最後の追い込みで勉強をするためにも、睡眠時間はしっかり確保する。自分にとってベストな睡眠時間を受験生は分かっていると思うので、6時間であるとか、6時間半であるとか、その時間をきちんと確保する。それを確保した後に、空いている時間を勉強時間などに振り分けていく。それが一番いいと思います」

Q.睡眠時間の確保から逆算して勉強時間を作っていくイメージ?
「そうですね。食事やお風呂に入るなど、どうしても欠かせない時間帯はありますよね。自分のベストな睡眠時間を毎日確保する。それで残った時間をできる限り勉強に当てるという配分。私も医師の国家試験を受ける時に、そういう感じでやっていましたので」

Q.どうしても参考書のチェックや過去の問題をやるなどに時間を注ぎたい気持ちになってしまいますが?
「睡眠時間をしっかり確保することによって、勉強の効率も上がりますし、免疫力も眠ってる間に活性化する。次の日、感染症に対して抵抗力をしっかり保つ。寝ている間に復活しますので、睡眠時間がデコボコだったり、短い時間が続くと免疫力がすごい低下しますので、インフルエンザやコロナにもかかりやすくなってしまうことになります」

Q.家族みんなで取り組むべき感染対策は?
「特にインフルエンザは十分、間に合いますけれども、ワクチンの接種です。かかる率を下げるのと、かかってしまっても早く回復する。軽症で済むので、早く回復して仕事や勉強に早く戻れるようなるために、やはりインフルエンザは特にワクチンが一番そういう効果がありますので。まだの人は、今はA型2種類とB型1種類の3種類のインフルエンザが流行っていますので、1つかかっても、あと2つにかかる可能性が十分にあります。2023年の秋にワクチンを打っていない人は是非、特に受験者の人はまだまだこれから3月ぐらいまで勉強する時間が必要ですので、ぜひワクチンを打っていただきたいと思います」

今シーズンは、回復しても「またかかるかも…」

Q.今シーズンのインフルエンザは、3つの型があるんですか?
「2023年1月ぐらいからだらだらインフルエンザが流行ってきて、9月から急に増えてきてる。1月から8月ぐらいまでは、A型のH3という、昔でいうA香港型というのは流行っていました。9月以降は、そこにAのH1型、昔のソ連型の仲間が加わって、10月、11月ぐらいからはB型も入ってきている。今は大体、6対3対1ぐらい。最初のA香港型が6割ぐらいで、3割がAソ連型で、1割がB型ぐらいで、今後B型がどんどん増えていくと考えています」

Q.1つの型にかかって高熱を出して消耗して回復したと思っても、あと2つの型にまだかかる可能性があるんですね?
「特に2023年夏ぐらいまでに1回かかった人は、ほとんどA香港型にかかってるので、ソ連型やB型は全く免疫がないですので、またかかるかもしれない。十分にあります。ワクチンを打てば、その3つも含めて、もう1個のB型も含めて4つの免疫がつきます。ぜひ1回かかった人もワクチンを打たれた方がいい。特に1回かかって、すごく大変だった人は、是非ワクチン打った方が次は軽く済むと思います」

Q.今摂取できるワクチンは3つの型に対応している?
「対応しています。A型が2つと、B型が2つあって4種類のインフルエンザに対応できています」

京都大学医学部を卒業 後藤さんが受験生にエール

Q.京都大学医学部を卒業された後藤さんが受験生の皆さんに送るエールと言ったら?
「とにかく今まで勉強してきた自分に自信を持ってやっていただきたいのと、当日の注意で1つだけ言うとすれば、時間に余裕を持って行動していただいて、ギリギリになって慌てちゃうと、慌てた気持ちのままで回答用紙に向かうことになりますので。きちんと余裕をもって前の日からしっかり持ち物の準備をしておくとか、睡眠時間をしっかり確保して、いつものように起きて、いつものように朝ごはんを食べて、平常心と自信の2つを持って向かえば、まずいい結果が待っていると思います」

Q.受験生の頃の後藤さんは、どれくらいの時間で受験会場に着くなど、どんな風に準備をされていたのですか?
「当然皆さんやっていることも多いと思いますけれど、自宅から下見に行く。私の頃は共通1次試験と言いましたけれど、会場の大学までどういう電車を乗り継いで、駅からどう歩いていくかは、下見はもされてると思いますから、そした場合は、ほぼ時間がわかっているので、その時間に余裕をもって着くように行動するのが一番大事だと思います」

Q.逆に後藤さんがすごく焦ってしまったような経験は?
「やっぱり一次試験、共通の試験は、共通の会場で受けますよね。その後の試験が、もし希望された大学の場合は、ちょっとドキドキするかもしれませんけれど、そうでない場合には「あ、大学ってこんなもんだ」っていう感じで。オープンキャンパスで入っているかもしれませんけれど、実際にそこで試験を受けたり、書いたりするのは初めてかもしれないので、共通テストは大学の雰囲気を味わって、2次試験で自分の希望する大学に行って受けるのは、やはり「ここでこれから勉強するんだ」「ここに入りたい」と思うと、緊張するんだと思います。それはみんながそうなので、志望校、志望大学の受験は緊張するものだと、そういうことはもう織り込み済みで、いい緊張感を持って試験に望んでいただければと思います」

Q.そのためには下見はかなり重要?
「下見で時間の行程をしっかり把握していくことで当日の安心につながって、平常心を保ったまま、回答用紙に向かえると思います」

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