国内有数の越冬地 270種の野鳥が飛来 シンボル的存在チュウヒも 渡良瀬スケッチ⑦

ヨシ原を飛ぶチュウヒ

 渡良瀬遊水地は多種多様な鳥たちの越冬地や繁殖地、渡りの中継地となっている。確認できる野鳥は約270種で、国内で確認できる野鳥の半分程度に当たる。この環境を求め、年間を通して多くの野鳥愛好家らが観察に訪れる。

 冬の時季は遊水地のシンボル的存在のチュウヒが訪れる。体長は50センチ前後で、広げると1メートル以上もある翼をV字にして飛行する。越冬のため飛来し、夕方にはヨシ原の上空を飛び回る姿が見られる。特にハイイロチュウヒが人気で、望遠レンズを持ったカメラマンらが列を作る。

 昨年12月中旬、NPO法人わたらせ未来基金が開いたチュウヒのねぐら入り観察会では、日没前後の1時間ほどで十数羽を確認した。同法人の塚田啓一(つかだけいいち)副理事長(72)は「広大なヨシ原にはネズミなどの餌が豊富でねぐらに適している。日本有数の越冬地です」と話している。

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