【指定廃棄物の行方】大田原市が暫定集約完了 放射性物質含む市内の農業系指定廃棄物

 東京電力福島第1原発事故で発生した放射性物質を含む市内の農業系指定廃棄物について、大田原市は15日、同市宇田川の県有施設「北那須浄化センター」への暫定集約が同日完了したと発表した。完了は日光、那須塩原両市に続き3市目となる。

 集約作業は昨年10月から環境省が実施した。市によると、市内9農家が一時保管していたのは稲わらや堆肥の71トン。暫定保管は市の責任で行い、今月から空間放射線量について、地元3自治会住民に回覧で知らせる。

 相馬憲一(そうまけんいち)市長は「地元のご理解を得て暫定集約できた。作付けが制限されるなどした農家の皆さまの補償について、市は申請をお手伝いしたい。(暫定集約後の)最終処分は国として早急に対応してほしい」と述べた。

 県によると、県内で農業系指定廃棄物が発生した6市町のうち、那須町は集約先を決めている。矢板、那珂川両市町は具体化していない。

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