線路進入、列車接触シカ・イノシシ悩みの種 鉄道会社が耳澄ませた専門家の対策とは

線路に侵入する野生鳥獣の特性を学ぶJR西日本福知山保線区の職員ら(京都府福知山市駅前町・JR西日本福知山管理部)

 JR西日本の社員が獣害対策を学ぶ講座がこのほど、京都府福知山市駅前町の同社管理部であった。福知山保線区の約25人がシカによる線路進入の理由や防除法などについて専門家から助言を受けた。

 同保線区ではシカやイノシシの線路への進入や列車との接触が年間900件以上発生しており、福知山市の鳥獣対策員の望月優さん(31)を講師に招いた。

 望月さんはシカが鉄分補給のためにレールをなめたり、見通しの良い通り道に利用したりすることが事故につながっていると指摘。鉄道各社が実施する光や超音波による獣よけでは1カ月程度で警戒心が弱まるとし、物理的に進入を防いだり電気刺激などの痛みを与える設備を整備したりすることを勧めた。

 田中正悟企画担当区長は「シカの特性を詳細に知ることができた。獣害による列車の遅れを減らせるよう社内で対策を検討していく」と話していた。

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