大阪―和倉、最安9020円 北陸新幹線敦賀開業でJR西

  ●大阪―金沢 最安7980円
  ●東京―小松 1万80円
  ●東京―加賀温泉 1万310円

 JR西日本は23日、3月の北陸新幹線敦賀開業に合わせて、北陸―近畿圏で早期購入割引の企画乗車券を発売すると発表した。乗車日の14日前までインターネットで購入できる座席数限定の「WEB早特14」が最も安く、大阪―和倉温泉で9020円、大阪―黒部宇奈月温泉で9690円となる。両区間は敦賀開業に伴う値上げ幅が他の区間に比べて大きいが、早期購入割引を利用すれば現行の運賃より安く抑えられる。

 大阪―和倉温泉の運賃は、「WEB早特14」で9020円となるのをはじめ、乗車日の7日前まで購入できる座席数限定の「WEB早特7」で9300円。いずれも現行の運賃9360円より安い。乗車日前日まで購入できる座席数限定の「WEB早特1」は1万700円で、通常の運賃は1万2050円となる。

 同区間は現在、特急「サンダーバード」1本で行き来できるが、敦賀開業後は直通便がなくなり、特急と新幹線を3本乗り継ぐ必要がある。特急や新幹線を使う際に加算される「特急料金」が1本分から3本分に増えるため、他の区間に比べて値上げ幅が大きい。

 大阪―黒部宇奈月温泉の運賃はWEB早特14で9690円で、現行の9920円より安くなる。WEB早特7は1万270円、WEB早特1は1万1400円、通常は1万2500円となる。

 同区間で敦賀開業後に運賃が高くなるのは、新幹線と特急の乗り継ぎ割引が廃止され、「特定特急料金」という割引が黒部宇奈月温泉には適用されないため。

 大阪―金沢は通常9410円に対し、WEB早特7で8460円、WEB早特14で7980円。大阪―富山は通常1万290円のところ、WEB早特7で9250円、WEB早特14で8730円。

 東京―小松は通常1万4600円に対し、WEB早特1で1万2960円、WEB早特14で1万80円。東京―加賀温泉は通常1万4930円のところ、WEB早特1で1万3250円、WEB早特14で1万310円。いずれも2月16日から取り扱う。

 敦賀開業で大阪方面の運賃が割高になる沿線からは対策を求める声が出ており、JR西の長谷川一明社長は昨年の定例会見で「負担を感じないよう企画切符や割引施策を講じる」と述べていた。

  ●チケットレス拡大

 首都圏―金沢で展開していた、交通系ICカードをかざすだけで乗車できる「新幹線eチケットサービス」は敦賀まで拡大する。JR西の予約サイト「e5489」でICカードの情報を登録し、新幹線の指定席や自由席を予約する。券売機や窓口で事前にチケットを受け取る必要はない。

 チケットレス乗車で北陸新幹線とサンダーバードを乗り継ぐ場合、敦賀開業後は1回の操作で予約が可能になる。これまで「新幹線eチケットサービス」と「在来線チケットサービス」を別々に予約する必要があった。交通系ICカード1枚でスムーズに乗車できる。

  ●金沢-敦賀は利用できず 青春18きっぷ

 全国のJR普通列車に1日乗り放題の「青春18きっぷ」は敦賀開業後、金沢―敦賀(IRいしかわ鉄道、ハピラインふくい)では利用できなくなる。

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