●「復興のともしびに」
樹脂で本物のお菓子のようなデコレーションを施す「スイーツデコ」の第一人者、渡辺おさむさんは23日までに、富山新聞社のインタビューに応じ、5月に氷見市芸術文化館で開かれる展覧会に向けた意気込みを語った。能登半島地震の被災地で展覧会を開くことに「元日から悲しいことが起きているけど、暖かくなる春には、展覧会が希望のともしびになれるように努力していきたい」と話した。
「スイーツ」で彩られたアート作品を展示する「お菓子の美術館~渡辺おさむ スイーツアートin氷見~」は5月3~30日に開かれる。氷見市文化振興財団、市、市教委、富山新聞社、北國新聞社、北日本放送が主催する。
震災のニュースを目にし、展覧会を開催すべきなのか迷ったが、「長い復興の道のりで、どこかで芸術が人々に生きる力と感動を与えてくれるはずだ」と思い直した。
昨年11月には氷見市を訪れ、富山湾越しの立山連峰に圧倒された。氷見の海に魅せられ、氷見を象徴する寒ブリ、大漁旗などをモチーフにした作品の制作を進めている。
昨年これまででも最大規模の展覧会となる見通しで、1月6~13日に東京・東品川の「ギャラリーUG Tennoz」で開かれた個展の目玉となった全長4.5メートルのドラゴンなども展示する。「お菓子の水族館とか、お菓子の森とか、ファンタジーの世界に没入できるようにしたい」と語り、作品点数は300点以上になる予定だ。
発災時には避難所にもなった会場を使うことにも巡り合わせを感じ「社会全体としても暗い雰囲気になっているけど、作品の世界だけは夢のある世界にしたい」と話した。
入場料は一般1200円(前売り1000円)、大学・高校生800円、中学生以下は無料。障がい者手帳持参者は600円。前売り券の発売開始は3月23日を予定する。問い合わせは富山新聞社営業事業部=076(491)8118=まで。