〈1.1大震災〉災害ボラ27日受け入れ 能登空港も同日再開

雪が降る中、急ピッチで進む仮設住宅の建設=23日午後3時半、珠洲市三崎町粟津のみさき小グラウンド

  ●仮設1万5000戸、3月末に確保

  ●復旧の足音徐々に

 能登半島地震で、石川県は23日、穴水町や七尾市、志賀町で27日から災害ボランティアを受け入れると発表した。ボランティアには現時点で1万3200人が登録しており、被災地への派遣は初めて。同日から能登空港の羽田便が再開し、25日からは奥能登と金沢を結ぶ無料バスも運行を始める。県は、仮設住宅や県内外の公営住宅など約1万5千戸を3月末までに確保する見通し。地震発生3週間が過ぎ、少しずつ復旧の足音が聞こえ始めた。

 県によると、ボランティアは災害ごみの片付けや運搬に当たる。1日当たり七尾市約20人、志賀町45人、穴水町約15人が日帰りで被災地に入る。事前登録者を対象に24日から募集を始める。登録者は23日時点で県内約3600人、県外約9600人。

 能登空港の羽田便は2月末まで1日1往復で火、木、土曜に運航し、座席は166席。3月以降は今後判断する。

  ●停電、月内におおむね解消

 斎藤健経済産業相は23日の閣議後記者会見で、能登半島地震による停電について、土砂崩れで立ち入りできない地域などを除き、月内におおむね復旧するとの見通しを示した。

 ■「民」の力生かせ/北陸学院大・田中純一教授

 災害大国の日本には、専門的な技術や知識、豊富な経験を持つボランティアがたくさんいる。29年前の阪神大震災以降、2004年中越地震、11年東日本大震災などを経て、全国各地でこうした人的資源が蓄積してきた。1日も早い能登の復旧・復興に向け、こうした「民」の力をどんどん借りて生かすべきだ。行政は、上手に助けを受ける力、「受援力(じゅえんりょく)」を持たなければいけない。

  ●県内雪、警報級に警戒

  ●のと里山、北陸道、国道8号通行止め/サンダーバード24日運休

 石川県内は25日にかけて警報級の大雪の恐れがある。金沢地方気象台は、被災家屋の雪の重みによる倒壊、能登の海岸では浸水に注意するよう呼び掛けた。

 午後9時現在の積雪は七尾11センチ、珠洲10センチ、輪島2センチ。24日午後6時までの24時間予想降雪量は能登、加賀の平地で最大30センチ、山地では能登50センチ、加賀70センチとなる。

 県は23日夜、集中除雪のためのと里山海道柳田―横田や国道249号七尾市深見町―穴水町川島など8路線を通行止めにした。北陸自動車道金沢森本―砺波、国道8号津幡町舟橋―小矢部市桜町、国道304号金沢森本IC口交差点―富山県境も通行止めとなった。

 小松空港発着便は23日、雪の影響で羽田、福岡、札幌便が計9便欠航、2便が最大1時間半遅れた。JR北陸線は24日、特急「サンダーバード」「しらさぎ」が始発から最終まで運休。金沢―福井の「ダイナスター」は通常2往復のほか、臨時で8往復運行する。

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