村山の事業所閉鎖、従業員93人退職 JOHNAN、3月末

3月末で閉鎖することが決まったJOHNANデザイン&EMS事業本部東日本事業部=村山市櫤山

 精密部品加工などのJOHNAN(京都府宇治市、山本光世社長兼CEO)の村山市●山にあるデザイン&EMS事業本部東日本事業部が、今年3月末で閉鎖することが24日、分かった。取引企業からの受注減少などが要因という。従業員93人は会社都合退職となり、同社は再就職支援を進めている。村山市での事業所閉鎖としては過去最大規模となる。

 事業所は1982(昭和57)年に操業を開始した。現在は約1万6千平方メートルの敷地に二つの工場を構え、昨年12月時点で98人が在籍。最盛期には283人を雇用し、携帯電話や自動車の部品などを製造してきた。

 取引企業が発注先を海外にシフトしたことで、今期の受注額は前年比で4~5割減少する見込み。同社は拠点を集約する中で、他事業所との効率的な連携が地理的に困難と判断し、閉鎖を決めた。敷地や工場の今後の利活用については未定で、同社は従業員の受け入れ先なども模索している。

 山本社長兼CEOは山形新聞の取材に「あらゆる選択肢を検討してきたが、工場の閉鎖という苦渋極まりない決断に至った。取引先や関係者に対して残念でならない」とコメントした。市商工観光課は「就労の場がなくなるのは市にとって由々しき問題だ。再就職先の相談があれば、橋渡し役を担いたい」としている。

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