宇奈月に60人2次避難 輪島から、26日受け入れ

2次避難で輪島市の住民を受け入れる宇奈月温泉街=黒部市宇奈月温泉

 黒部市は25日、能登半島地震で被災した輪島市から約60人の広域避難を宇奈月温泉の宿泊施設で26日に受け入れると発表した。石川県から富山県を通じて要請があり、石川県が2次避難所として登録している温泉街のホテルにまとまって入る。今後も段階的に受け入れ、市は健康管理や生活物資の提供などを通じてサポートしていく。

 市によると、受け入れるのは輪島市で被災した後、金沢市のいしかわ総合スポーツセンターなどの1.5次避難所に身を寄せている人たちで、石川県の調整で宇奈月温泉への2次避難が決まった。26日夜、バスと自家用車で到着する。

 市は保健師による健康チェックや体操指導などによる健康維持、衣服などの物資提供に当たる。

 石川県の2次避難策とは別に、市は独自に宇奈月温泉の温泉宿100室300人弱程度の受け入れ枠での一時滞在と、家財道具付き市営住宅への入居をセットで無償提供するパッケージ支援策を用意している。避難者には今後、市営住宅に移ることも可能であることを案内する。

 武隈義一市長は取材に対し、「まずは体と心をゆったりと休めてほしい。落ち着いたら、今後のことを考えてもらい、輪島市とも連携して生活再建に向け、できるだけのことをしたい」と話した。

 宇奈月の宿には石川県の民間団体が窓口となって輪島市、七尾市からの避難者2組4人が既に滞在している。

 立山山麓にある富山市内のホテルには、珠洲市民104人が集団避難している。

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