「命、1分1秒を大事に」 『母の背に』著者・村岡智彦さん 鹿島小学校で授業「命の教育」

自身の半生を振り返りながら命の大切さを訴える村岡智彦さん=鹿島市の鹿島小

 子どもたちに命の大切さを考えてもらおうと、鹿島市の鹿島小で、6年生に向けた授業「命の教育」があった。元小学校校長の村岡智彦さん(79)=佐賀市=が困難を乗り越えた自身の半生について語り、「1分1秒を大事に生きてほしい」と訴えた。

 村岡さんは、第2次世界大戦後に朝鮮半島から家族11人で佐賀市に引き揚げ、経済的に厳しい暮らしの中で、地域の人たちに支えられて育ってきたエピソードを紹介。58歳の時に悪性リンパ腫にかかり、闘病生活を続けながら「命は神様から頂いた時間と考えるようになった」と振り返った。地域への恩返しの約束を守るために命の教育や地域のボランティア活動に積極的に携わっていることを紹介。「生きることは誰かと何かをして働くこと。命を大切にして、いじめや悲しむことをしてほしくない」と語りかけた。

 授業を受けた藤武笑瑠さんは「病気のつらさや、生きることの大切さがよく分かった」と話した。

 村岡さんは母との思い出や自身の半生を綴った著書『母の背に』(佐賀新聞社刊)を出版している。(山口源貴)

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