甲冑師の技尽くす「鉄龍」 胴体や手足など自在に動く 江戸中期以降の明珍一派の作、佐嘉神社記念館で展示

「鉄自在龍置物」を解説する徴古館学芸員の池田三紗さん=佐賀市の佐嘉神社記念館

 今年のえとの「辰(たつ)」にちなんで、鍋島家に伝わる龍(りゅう)の置物が、佐賀市の佐嘉神社記念館に展示されている。30日まで。

 展示している「鉄自在龍置物」は全長35.7センチで、角度によって龍の表情が変わるように見える作品。細かい鉄の部品を組み合わせており、胴体や手足、爪先などが自由自在に動かせるように作られている。今回は触ることができないため、動く様子を動画で解説している。

 置物は江戸時代中期以降、甲冑(かっちゅう)師の明珍一派によって作られた。戦いくさがなくなり、甲冑師の需要が減ったことが背景にあり、鉄を扱う技術を応用したという。

 徴古館学芸員の池田三紗さん(32)は「縁起物である鍋島家の龍の置物をこの機会に、ぜひ見に来てほしい」と話している。

 展示は午前9時~午後9時。入場無料。問い合わせは徴古館、電話0952(23)4200。(坂本有佐)

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