輪島に明かり取り戻す 東北電力から派遣、被災地の現状語る

輪島市で被災住家の電力復旧作業に当たる社員ら(東北電力ネットワーク岩手支社提供)

 東北電力ネットワーク岩手支社は、能登半島地震で被害を受けた石川県輪島市で電力復旧に向けた支援を続けている。隊長を務めた社員3人が29日、岩手日報社の取材に答え、被災地の現状を語った。

 いずれも配電グループの佐藤晃司・配電専任課長(54)、昆野吉則主査(47)、三田地如月(ゆきつぎ)主査(47)で、13日からメンバーを入れ替えながら派遣されたチームを率いた。

 現地で担ったのは、被災住家に電気を送る「個別送電」。火災や感電を防ぐための安全策を施し、漏電や断線がないか一軒一軒調査して回った。

 期間中は、道路が寸断されていて引き返したり、支援に向かう車両の渋滞に巻き込まれたりと、思うように作業を進められないこともあった。避難所に行かずに自宅や車庫で生活している人も多い中、昆野主査は「家に明かりがつくと住民が『よかった。ありがとう』と安堵(あんど)の笑みを浮かべたことが印象的だった」と振り返った。

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