能登半島地震の被災地支援で石川県に派遣された舞鶴市の消防隊員や職員の活動報告会が31日、市役所であった。隊員や職員は緊迫した状況下での救助活動や現地で感じた住宅耐震の重要性といった教訓を語った。
同市は緊急消防援助隊京都府大隊として、石川県珠洲市に4日から消防隊員延べ79人を派遣。ほかに職員9人を被災家屋の応急危険度判定業務や給水業務、避難所運営の支援で被災地に送っている。
報告会では、消防隊員と職員の計5人が鴨田秋津市長らに活動状況を説明。珠洲市大谷町で倒壊した寺院の安否不明者を捜索した東消防署の竹原裕・警備3課長(49)は「地震での倒壊に加えて土砂崩れで建物が押し流されていた。活動中に余震が発生して退避を余儀なくされ、活動は困難を極めた」と振り返った。
市消防本部の岸本道寛・予防課長(50)は大谷町の別の現場で22日に遺体を収容したといい「生存救助できず、無念だった。今後とも被災者に寄り添った活動をしたい」と述べた。
珠洲市で応急危険度判定に当たった市資産マネジメント推進課の佐野正和建築係長(48)は重たい瓦屋根の古い家屋が多く倒壊した惨状に触れて「住宅の耐震性が生死を分けた。舞鶴で耐震補強を普及する重要性を感じた」と説明した。
鴨田市長は職員をねぎらい「被災地に寄り添った支援を継続したい。舞鶴でも地震の対応を現実的に考える必要がある」と話した。