長崎・佐世保高専、2025年度に情報知能工学科新設へ AIやメタバースに特化

デジタル技術分野で活躍する人材の育成に向け、情報系に特化した学科の新設が予定されている佐世保高専=佐世保市

 長崎県佐世保市沖新町の佐世保高専は、人工知能(AI)やメタバース(仮想空間)などのデジタル技術に対応する情報系に特化した「情報知能工学科(仮称)」を2025年度に新設する準備を進めている。ほかの3学科も改組して情報系を強化し、総合型選抜(旧AO入試)を導入する方針。進展するデジタル技術分野で活躍できる人材を育成する。
 文部科学省が全国の国公私立大、高専を対象に公募した情報系分野の支援事業「高度情報専門人材の確保に向けた機能強化」に採択された改革。10年間で約9億1千万円の助成金が交付される。
 「情報知能工学科」は現存の「電子制御工学科」を廃止して設置。情報系に特化したカリキュラムを充実させ、情報処理や通信ネットワークなどの技術に加え、情報システム全体のデザイン力や技術開発力を備えた人材を育成する。
 ほかの3学科も学科名称、教育課程などを変更し、全体として情報系の教育課程を充実させる予定で、ロボット工学や半導体教育などを強化する。入学定員は現在の各学科40人から45人に増員する方針。これまでの学力選抜、推薦選抜に加えて、総合型選抜を導入し、全国から広く学生を集める。今年9月に選考試験を予定している。
 全国で情報系人材の需要が高まる中、高専の先進モデルとして注目される。中島寛校長は「成長分野をけん引する高度専門人材の育成。少子化が進む将来において、地域に必要とされる高等教育機関に成長、発展していくことが必要」と話している。

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