足利・鑁阿寺で伝統の節分鎧年越 過去最多、武者360人集結 勢いよく豆まき

鑁阿寺境内で威勢良く豆をまく鎧武者ら参加者=3日午後6時40分、足利市家富町

 鎌倉時代の故事に由来する伝統行事「節分鎧年越(よろいとしこし)」が3日夜、栃木県足利市家富町の国宝鑁阿(ばんな)寺などで行われ、武者姿の市民ら約360人が市中心部を練り歩いた。参加人数は過去最多という。

 3年ぶりの開催となった昨年はマスク着用や間隔を空けた歩行などコロナ対策を講じたが、今年は通常通りの姿に戻った。武者一行は午後5時に織姫(おりひめ)公民館を出発。ほら貝や太鼓の音とともに行進し、約1時間半をかけて同寺に集結した。

 本堂前では、主将を務めた早川尚秀(はやかわなおひで)市長が足利氏代々の供養と市の繁栄を願う「願文」を奉読。「福は内、福は内、鬼は外」の掛け声に合わせ、勢いよくみんなで豆をまいた。

 主催した地元有志でつくる「立春会」の田野雅己(たのまさみ)会長(70)は「過去最高の参加となり、歴史、文化を核とする足利のまちづくりに向けて勢いづくのではないか」と目を細めた。

 鎧年越は鎌倉時代中期に足利氏4代目泰氏(やすうじ)が坂東武者500騎を同寺南大門に勢ぞろいさせたのが始まり。109年前に繊維業者ら有志が復活させ、戦争やコロナ禍で休止があり、ことしで93回目。

© 株式会社下野新聞社