地名「蟹田」の由来、アニメで伝承 青森・外ケ浜町

完成したアニメ「かんだ蟹」の一場面
山崎町長(右)へ海ノ民話のまち認定証を手渡す沼田監督

 青森県外ケ浜町の民話「かんだ蟹(がに)」のアニメが完成し、同町役場で1日、お披露目が行われた。

 アニメは約5分の短編で、一般社団法人日本昔ばなし協会と公益財団法人日本財団が取り組む「海ノ民話のまちプロジェクト」が制作。作品では藩政時代、町の宿屋に泊まった旅人が、宿代代わりに描いたカニの絵を海に浸したところ、絵の中のカニが沖に逃げ出した。すると春には大量のカニが取れるようになり「蟹多」と呼ばれるようになったとの民話がほのぼのとしたタッチの絵で描かれ、軽快な音楽や語り口で紹介している。

 お披露目にはアニメ監督を務めた沼田心之介さん(42)らが訪れ、同町の山崎結子町長に海ノ民話のまち認定証と完成パッケージを手渡した。沼田さんは「まずは子どもたちに物語を知ってもらい、自分の町を好きになってもらいたい。アニメのキャラクターなどは自由に使って、商品に使用するなど町の発信に役立ててほしい」と作品への思いを語った。

 上映後、山崎町長は「地域の民話や伝承を子どもたちに伝えるにはぴったりで、今後はさまざまな場所で見られるようにしていきたい」と話した。

 「かんだ蟹」は海ノ民話のまちプロジェクトオフィシャルサイトや動画サイト「ユーチューブ」で視聴できる。21日には蟹田小学校で上映会が行われる。

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