地区内の技能実習生らに日本語講座 大分市本神崎のNPO「付き合い深め、一緒に活動を」【大分県】

和やかな雰囲気の中、日本語を学ぶ技能実習生たち=大分市本神崎

 【大分】大分市本神崎のNPO法人「福祉コミュニティKOUZAKI」は、地区内の寮で暮らすフィリピンからの技能実習生らに向けて日本語講座を始めた。海岸清掃や祭りのみこし担ぎなど、日頃から地区の行事に参加している実習生らの役に立つことをしようと企画した。

 2021年に地区内にできた南日本造船の寮では、特定技能制度で受け入れている人も含めて約100人が生活している。講座の開催は同法人に英語を話せるメンバーがいたことから、寮の担当者に申し出た。

 1月28日、地区の交流施設「みんなの家」で初回があった。昨年10月に来日した実習生らが参加した。同法人の安達立春理事長(79)が「慣れない言葉を使いこなすのは大変だと思うが、一緒に頑張っていきましょう」とあいさつ。講師役の姫野文徳さん(75)、太田和道さん(68)が、「ろ」と「る」、「ソ」と「ン」など、間違いやすい平仮名・片仮名などを教えた。

 参加したコルテズ・ジャン・カルロスさん(24)は「ジョークを交えながら教えてくれたので楽しく勉強できた。もっと話せるようになって日本の友達をつくりたい」と笑顔だった。

 技能実習生は来日前後に日本語の社内講習を受けているが、先に来日した先輩が職場や外出先で通訳してくれるため、日本語でコミュニケーションを取る機会がなかなかないという。

 南日本造船協力事業協同組合で実習生らの手続きや日常の生活支援をしている志村寿洋主任(40)は「日本の文化を体験し、地域の人と触れ合う中で学べることもあると思う。日本語を話せるようになることで人生を豊かにし、日本で長く働いてほしい」と期待した。

 講座は月1回開催。食事やバーベキューなど交流の機会もつくるという。同法人の稲生亨事務局長(78)は「同じ地区の住民として付き合いを深め、一緒に活動していけたら。迎える側の住民に向けて外国人への理解を深める講座も開きたい」と話した。

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