弘前市立中校長、強制性交疑いで懲戒免職 青森県教委、処分公表せず

 弘前市立中学校の男性校長が昨年春ごろ、青森県内で知人女性にわいせつな行為をしたとして、県警が強制性交の疑いで昨夏、青森地検に書類送検していたことが取材で分かった。複数の関係者によると、県教育委員会は昨年、校長を懲戒免職としたが処分を公表していない。元校長は6日までの東奥日報の取材に対し「(今の段階では)何もお答えできない。今後の対応は弁護士と相談している」と述べた。

 県教委は昨年11月30日、教育職員免許法に基づき、元校長の教員免許状を取り上げた。同12月20日付の官報に元校長の氏名と免許状の取り上げが掲載された。取り上げ理由は、児童生徒に対する性暴力等ではない「わいせつな行為またはセクハラ」となっていた。関係者によると、元校長は昨年10月下旬に職を離れているという。

 元校長の勤務していた中学校の校長人事を巡っては、県教委が同12月27日、後任を1月1日付で充てる人事を公表したが、前任の校長の処遇には触れていない。県教委は当時の取材に「一身上の都合」と述べていた。

 東奥日報が県教委に対し、校長交代の経緯を示す行政文書の開示請求をした結果、弘前市教委が県教委に対し同11月24日付で「欠員補充」として県費負担教職員の採用を内申していたことも分かった。発令日を1月1日付に希望していた。一方、免許取り上げ処分に関する文書については「文書の存否を答えること自体が個人の権利・利益を侵害することになる」として全面不開示だった。

 県教委の担当者は元校長の処分について「コメントできることはない。一般論として、被害者のある事案については懲戒免職でも被害者の権利・利益を守るために非公表にする対応もあり得る」とした。

 元校長は取材に対し、県教委の処分内容や不服申し立ての意向があるかなどについても「答えない」と述べた。

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