リンゴ搾りかす、おしゃれ小物に シート素材を開発 KOMORU(青森・五所川原市)

新素材「Adam」で製作したショルダーポーチ(左)とカードケース

 青森県五所川原市で古民家を改装したホテル「こもる五所川原」を経営するKOMORU(同市、香田遼平代表取締役)が、県外出身の2人のデザイナーと協力し、従来なら捨てられるリンゴ搾りかすを活用したシート素材「Adam(アダム)」を開発した。茎や皮などの粒を残し、リンゴを使った形跡が見えるようにしているのが特長。同素材で作ったカードケースとショルダーポーチを販売中で、シリーズ商品を増やしていく予定だ。

 Adamは半透明で、独自の加工技術でリンゴの皮や茎の粒を素材に入れ込んでいる。触感は滑らかで、皮や茎は成分本来の赤褐色を生かしている。

 KOMORUは、持続可能な世界を目指すとともに、リンゴや青森県の風土の魅力を世界に発信しようと、デザイナーの池田美祐さん(群馬県出身)、倉島拓人さん(長野県出身)と共に、KOMORUを拠点とする素材の研究・開発機関「SozaiCenter(ソザイセンター)」を2021年に設立、新素材の開発を進めてきた。

 原材料の搾りかすは、ジュースやシードルの製造過程で発生したもので、津軽地方のリンゴ農園などから提供を受けている。

 香田さんは「(青森という)ローカルな場所から雇用を生み出し、一つのユートピアを築きたい。ホタテ貝を使った新しい素材も開発していきたい」と話している。

 ショルダーポーチ(税込み8800円)、カードケース(同6820円)は20日まで、東京・新宿のビームスジャパン店内特設コーナーや同社の公式オンラインショップなどで販売している。

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