青森国際ホテル跡地に22階建て80mビル 2028年度完成、青森市内最高層

旧青森国際ホテル跡地地区一帯の整備イメージ(青森市提供)

 青森市新町の旧青森国際ホテル跡地一帯で検討されている再開発構想について、集合住宅や商業施設が入る地上約80メートル22階建ての複合ビルと駐車場を2028年度に完成させる事業計画を同市が明らかにした。7日に開いた市都市計画審議会(会長・足達健夫青森公立大准教授)で概要を説明した。市によると、新施設は26年度着工予定で、完成すれば市内で最も高いビルとなる見通し。

 再開発事業は、民間の地権者らで構成する準備組合が計画。事業区域はアウガと複合施設「THREE(スリー)」の間に位置する約8千平方メートルで、商業・住宅棟と駐車場棟を整備する。商業・住宅棟は、1~3階が商業施設と医療・福祉関係の業務施設、4~22階が約200戸分の共同住宅となる。駐車場棟には約250台分の駐車スペースに加え、多目的ホールや商業施設が入る計画。新町通りに面するパサージュ広場からニコニコ通りまで区域内を回遊できるよう設計した。

 審議会では、同事業を都市再開発法に基づく「第一種市街地再開発事業」とする都市計画を市が説明。同区域には、20年に閉館した同ホテルのほか、旧耐震基準で建築された建物などの老朽化が課題となっていたことから、市担当者は「ホテル跡地と小売店舗、空き地を集約化することで、土地の高度化とにぎわいある空間形成を図り、駅前地区の活性化を目指す」と述べた。

 審議会では委員から、「今後もし、事業対象区域の周辺の地権者から新たに事業に賛同する人が出た場合、計画区域は広がるのか」「能登半島地震では耐震基準を満たさない建物が多数倒壊した。事業区域内にもある同様の建物を集約するという観点で考えれば、有効な計画」といった声が上がった。

 審議会の足達会長は終了後の取材に「市の玄関口である青森駅近くの(青森国際)ホテルから明かりが消えたままで、市民も気にしている。共同住宅整備によるまちなか居住の推進で、にぎわいに寄与する事業になれば」と話した。

 同事業に係る都市計画は3月中旬に決定する予定。都市計画決定後は、事業計画の認可を経て、25年に対象区域内の建物解体工事の着手を目指す。

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