能登半島地震の被災地、断水で手洗いや排便処理に苦労 支援の消防隊員が現地で実感

能登半島地震の被災地での活動を報告する城陽市消防本部の職員たち(京都府城陽市役所)

 能登半島地震の被災地に緊急消防援助隊府大隊の一員として派遣された京都府城陽市消防本部の隊員が、奥田敏晴市長に活動の様子を報告した。京都府大隊の中で隊員たちの食事やテント設営を担い、「後方支援の重要性を認識した」と語った。

 京都府大隊は1月1日から23日まで8次にわたって派遣され、城陽市からは後方支援隊として計16人が参加した。

 報告によると京都府大隊は石川県珠洲市の建設会社の敷地を拠点とした。雪が積もる日があったほどの寒さで、宿泊用のテントや簡易トイレを設営。断水で持ち込んだ水が限られる中、午前4時に起きて大隊全員の食事を用意した。手を洗ったり、排便を処理したりするのに苦労したという。

 派遣隊員3人が市役所で活動の様子を伝えた。田中真救急課長(50)は「後方支援は目立たないが、救助隊が活動できる環境を整えるために大事だと実感した」と話した。奥田市長は「現地での体験を今後の消防活動に生かしてほしい」とねぎらった。

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