林業の現場「VR」で体験 伐倒作業・倒木事故も再現「経験思い出したい」

VRゴーグルを装着しチェーンソーで木を倒す作業の体験

 林業について学んでいる北桑田高(京都市右京区)の生徒が、京都府京丹波町の府立林業大学校で、VR(仮想現実)の技術を用いて、木の伐倒作業を模擬体験する授業を受けた。作業時に起こりうる倒木事故も再現され、仕事の難しさや安全への意識を再確認した。

 同高の京都フォレスト科2年21人が、1月30日に訪問した。専用のゴーグルを装着すると、眼前に木々がリアルに立ち現れ、生徒たちはチェーンソーを模した機具を手に、立木の根元に切り口を入れるなど、実際の手順通りに作業した。

 現場さながらに、切った木が自分に向かって倒れてくると、生徒たちは驚いて後ずさりし、「実際あったら怖いね」などと口々に言い合った。

 生徒(17)は「本当に木を切っているように感じた。山仕事には危険があるということも知り、実際にチェーンソーを使うときはこの経験を思い出したい」と話した。

 丸太を伐採するための林業用機械「ハーベスター」のシミュレーターもあり、生徒は熱心にコントローラーを操って、普段使えない機械の操作方法を学んだ。

VRゴーグルを装着しチェーンソーで木を倒す作業の体験。後方にはゴーグル越しの視界が投影された(京丹波町本庄・府立林業大学校)
高性能林業機械「ハーベスター」の操作をシュミレーターで体験する生徒

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