金沢・四十万小の体育館に支援物資 持ち帰り自由、地元NPOが企画

電化製品や日用品を整理する関係者=金沢市の四十万小

 四十万小校下のNPO法人と同校は15日までに、能登半島地震の被災者向けに学校体育館に支援物資を集めて無料配布する取り組みを始めた。家電や食器類、衣類などさまざまな物資があり、自由に持ち帰ることができる。避難所を出て金沢で暮らそうとする人らを応援する目的で、NPOは「行政のサポートが届きにくい部分を補完したい」としている。

 NPO法人「みんなの畑の会」が、四十万地区の町会に直接声をかけるなどして物資を募った。同会は四十万小に対し、物資の保管場所として体育館を使用できないか相談。脇田誉志昭校長は「児童が被災者支援を身近に考えるきっかけになる」と快諾し、体育の授業に支障のない範囲でスペースを提供した。

 体育館には地域住民ら約100人から寄せられたテレビや暖房器具、衣類、食器などが集まった。畑の会と四十万小は12日から毎日午前9時~午後3時に体育館を開放し、被災者は入り口で名前と住所を記入するだけで好きな物資を受け取れるようにした。既に100人以上が利用したという。

 輪島市名舟町の自宅が全壊し、老人福祉センター鶴寿園(額谷町)に身を寄せる堂下美智子さん(66)は近く津幡町のアパートに入居する予定で、新生活に向けて皿や冷蔵庫、鍋などを持ち帰った。堂下さんは「自分たちで生活を立て直さなければならず、本当にありがたい」と感謝した。

 畑の会代表理事の西田敏明さん(77)は「市民団体ならではスピード感をもって被災者の力になりたい。必要な物資や、提供できる物があったら会まで連絡してもらいたい」と話した。

 同会は輪島市の避難者が暮らす額谷ふれあい体育館に掲示板を設置し、支援者と物資を必要とする被災者のマッチングにも取り組んでいる。

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