地震教訓に備蓄拡充 鍵付きトイレにテント 小矢部市当初予算

拡充を行う備蓄品=小矢部市役所

  ●初動活動BOXも配備

 能登半島地震を教訓に、小矢部市は新年度、市役所の備蓄品を拡充し、防災面を充実させる。段ボール製で、かぎの掛けられる個室トイレを新たに購入し、防水対応のテントと併用する。子どもが食べやすい備蓄食、排泄物をフィルムで完全密封して水を使わないトイレなどもそろえる。事業費で749万円が盛り込まれた。

 市内18地区で自主避難所を円滑に開設できるよう、市は新年度、必要な資機材をまとめた「初動活動BOX」を各地区に配備する体制も整える。懐中電灯やヘルメット、ハンドマイクや避難所開設マニュアルが入っており、事業費90万円を計上した。

  ●雨量や積雪量センサー設置

 市は新年度、雨量や積雪量を計測するためのセンサーを市内に設置し、県や県内他市と連携して情報公開するシステムの導入を図る。事業費で1千万円が盛り込まれた。

 市内には気象庁のアメダス(地域気象観測システム)が設置されていない。市役所と津沢コミュニティプラザに雨量などを測定する機器、山間部の市道数カ所に積雪量を測る機器とカメラを設置する。

  ●ホッケー通じ台湾と交流

 市は新年度、ホッケーを切り口とした台湾との交流事業に乗り出す。競技が盛んな南投県竹山鎮の行政機関や高校を表敬し、交流試合実施や指導者派遣の方向性も探る。準備経費として200万円が計上された。

 市は新年度、小矢部ホッケーフィールドby三井アウトレットパークに認定案内看板、石動駅と道の駅メルヘンおやべにパネルを設置する。児童や障害者らがホッケーやユニホックを楽しめる体験型イベントも行う。95万円が盛り込まれた。

  ●社員寮へリフォーム 事業者に補助制度

 市は新年度、市の空き家バンク登録物件を賃貸または取得し、社員寮にリフォームする事業者を対象にした補助制度を新設する。工事費の2分の1、上限は100万円で、一つの物件に複数人が住む際に必要な間仕切りや備品などを整備するのに役立てる。100万円が計上された。

 市によると、市内で昨年7月に物流施設が稼働した際、市内に居住する外国人が増えた。

  ●バス利用の高校生、定期券購入費支援

 市は新年度、民営乗り合いバスを利用する高校生の通学定期券購入費を支援する。公共交通対策事業費で130万円が盛り込まれた。

 市は新年度、市内の自治振興会に対し、剪定枝処理機購入費を補助する。購入費の3分の2で、上限50万円。自治振興会単位で処理機を所有してもらい、剪定枝の再資源化を促す。事業費で50万円が計上された。

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