【中国】風力発電機の新設、23年は過去最高に[公益]

民間調査機関ブルームバーグNEF(BNEF)は19日、中国で2023年に新設された風力発電機(設備容量ベース)が前年比58%増の77.1ギガワットとなり、過去最高になったと発表した。陸上風力発電への中央政府からの補助金が廃止された21年以降で初めて、陸上・洋上ともにプラス成長となった。

新設の内訳は、陸上風力発電機が59%増の69.4ギガワット、洋上風力発電機は48%増の7.6ギガワットだった。

風力発電機のメーカー別のシェア首位は、陸上風力に強い新疆金風科技の20%。2位は遠景能源(19%)、3位は運達能源科技集団(13%)と続き、上位3社はいずれも新設容量が10ギガワットを超えた。

4位以下は◇明陽智慧能源集団(12%)◇三一重能(10%)◇中国東方電気集団(8%)◇上海電気風電集団(6%)◇中船海装風電(5%)◇中国中車集団(4%)◇国電聯合動力技術(2%)——。

洋上風力だけで見ると、新設容量を前年から2倍に伸ばした明陽智慧能源集団(設備容量2.9ギガワット)が上海電気風電集団(1.6ギガワット)を上回って首位になった。3位は遠景能源(1.1ギガワット)。

競争が過熱する中、外資メーカーはシェアを奪えずにいる。外資を含むその他メーカーの風力発電機のシェアは0.4%だった。世界大手デンマークのベスタスの新設容量は61メガワット。

証券時報(電子版)によると、国内の陸上風力発電機の入札価格が下がる中、各メーカーは利益率が陸上風力に比べて高い洋上風力の分野に力を入れている。海外市場の開拓も進めており、三一重能は海外での工場設置を検討。上海電気風電は23年に東南アジアなど海外からの受注を獲得しており、今後も海外開拓を進める方針だ。

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