英中銀の利下げ先延ばし、実質的コストもたらす=ディングラ委員

David Milliken

[ロンドン 21日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)金融政策委員会のディングラ委員は21日、基調的なインフレ圧力が緩和していることを示すさらなる証拠が出るまで利下げを先延ばしすることは実質的な経済コストをもたらすと述べた。

MNIコネクト主催のイベントで「国内の相対的な物価上昇率が急激に低下するのを待ってから金利を引き下げることは、生活水準の改善を見送るというコストと将来の供給能力を低下させるリスクを伴う」とした。

また、世界金融危機以前は賃金上昇率が4─5%であったことから、現在の6%を超える賃金上昇率が必ずしもインフレ率2%と一致する水準から遠いとは考えていないと指摘。むしろ、多くのサービス業を含め卸売物価指数(PPI)の伸びが低調なことに注目しており、それが将来の消費者物価指数(CPI)の伸び鈍化を示唆しているとした。

ディングラ委員は「個人的な見解では、過度な引き締めはしばしばハードランディング(景気の急激な失速)を招くため、過度な引き締めで失敗する方がしないよりましという見方には説得力がない」と語った。

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