【開幕スタメン予想|横浜】今季もブラジル人3トップが健在。背番号8のパフォーマンスはチーム全体のバロメーターに

いよいよ開幕を迎えるJ1リーグ。20チームに増えた24シーズンは、どんな戦いが繰り広げられるか。本稿では横浜F・マリノスの開幕スタメンを予想する。

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ハリー・キューウェル監督就任によって中盤を逆三角形に変化させた新布陣がJリーグで初披露となる。

肝となるアンカーに入るのは、今季も主将を務める喜田拓也だ。攻撃時はビルドアップから相手陣内に侵入していくための中継地点となり、守備では被カウンターに備えて高いレベルでの危機管理能力を求められる。「新たなチャレンジをしていく」と猛々しく語る背番号8のパフォーマンスは、チーム全体のバロメーターといっても過言ではない。

2席あるインサイドハーフに入るのは、昨季から位置を半列上げた渡辺皓太、そして3シーズンぶりの復帰となった天野純か。前者はACLラウンド16のバンコク・ユナイテッド戦1stレグで得点したように、長い距離を走って相手ゴール前へ入っていける。後者は左足から繰り出すパスで流れを変え、決定機を創出していく。

最前線は今季もブラジル人3トップが健在だ。中央には昨季リーグ得点王のアンデルソン・ロペス、右にヤン・マテウス、そして左にエウベル。突出した打開力を持つ両ウイングがチャンスを量産できれば、昨季のリーグ最多得点チームに多くの歓喜が訪れるだろう。

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守備陣に目を移すと、依然として負傷離脱選手が多い。本来ならば主力を務める畠中槙之輔や小池龍太の復帰はもう少し先で、新加入の渡邊泰基や加藤蓮をさっそく起用して急場をしのぎたい。

一方で、ACLラウンド16で退場処分となった松原健だが、別コンペティションのため東京V戦の出場は可能。この一戦に全力投球すべく調整を進めている。

控えには実績ある水沼宏太やスピードで流れを変えられる宮市亮、パリ五輪世代の植中朝日といった多士済々なカードが控える。昨季終盤に負傷離脱した永戸勝也も復帰済みで、停滞した展開を変える有効な一手になるはず。

21日のACLラウンド16の2ndレグから中3日で臨むコンディション面は厳しいものの、クラブ史上初めてアジアのベスト8に進出した横浜には勢いがある。失ったリーグタイトルを取り戻すために、昇格チームから確実に勝点をもぎ取りたい。

取材・文●藤井雅彦(ジャーナリスト)

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