「サイトウ・キネン・オケ」首席客演指揮者に沖澤さん(青森出身)/故小澤征爾さんが生前に指名

2022年のフェスティバルでサイトウ・キネン・オーケストラを初めて指揮する沖澤さん(©山田毅/2022OMF)

 6日に死去した世界的指揮者の小澤征爾さん(享年88)が総監督を務めた音楽祭「セイジ・オザワ松本フェスティバル」(OMF)の実行委員会は22日、同フェスの演奏を担う「サイトウ・キネン・オーケストラ」(SKO)の首席客演指揮者に青森市出身で東奥賞受賞者の沖澤のどかさん=ベルリン在住=が就任すると発表した。今年のOMFで指揮を執る。沖澤さんは「小澤先生の音楽と生き様に憧れる音楽家の一人として、この特別な音楽祭に戻ってこられることを心底光栄で幸運に思う」と東奥日報にコメントを寄せた。

 SKOは、世界各地で活躍する粒ぞろいの音楽家で構成するオーケストラ。小澤さんの恩師である齋藤秀雄さんの没後10年に当たる1984年に結成され、今年が40年の節目に当たる。

 OMFは92年に齋藤さんの名を冠した「サイトウ・キネン・フェスティバル松本」として創立し、毎年長野県松本市で開催。2015年に現在の名称に変更され、オペラやコンサートなど多彩な演目を行ってきた。

 沖澤さんはOMFが30周年を迎えた22年にオペラ「フィガロの結婚」でSKOを初めて指揮。小澤さんはリハーサル初日から公演最終日まで見守っていた。沖澤さんは当時を振り返り「小澤先生が手を取って激励や労(ねぎら)いのお言葉をかけてくださったことは、これからの人生においても大きな支えになる」としている。

 OMFの公式サイトによると、小澤さんは生前から沖澤さんを首席客演指揮者に指名していた。同サイトでは小澤さんの生前コメントとして「僕にとって、非常に幸運な、素晴らしい出来事でした」(1月末時点)と沖澤さんとの出会いについてつづられている。

 今年のOMFは8月9日~9月4日に開催。沖澤さんはオーケストラコンサートのほか、プッチーニ作曲のオペラ「ジャンニ・スキッキ」などを指揮する。チケットは6月8日から全国で一斉に発売。詳細はOMF公式サイトで。

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