米FRBの利下げ「近い可能性」=フィラデルフィア連銀総裁

Michael S. Derby

[22日 ロイター] - 米フィラデルフィア地区連銀のハーカー総裁は22日、連邦準備理事会(FRB)の金融政策の次の動きは利下げになると述べた。行動の時期は近づいているとしたものの、具体的な利下げ開始時期については明言を避けた。

デラウェア大学での講演で「年内に利下げが行われる可能性がある」との考えを示した。同時に「今すぐそれを探ることには注意を促す。適切に対応する時間があり、そうせねばならない」とも述べた。

5月の利下げは「あり得る」が可能性は高くないとし、自身は今年後半のある時点での開始を予想していると語った。

また、利下げが可能な経済状況か見極めるにはさらに数カ月必要とした上で、「(利下げは)近いと思うが、数会合必要だ」と述べた。

ただ「拙速な利下げが最大の経済的リスクになる」とし、利下げは適切な時期に行う必要があると強調。インフレ率はFRBが目標とする2%に戻りつつあるとしながらも、持続的であることを示す一段の証拠が必要になると述べた。

同時に、米経済の成長は引き続き力強く、労働市場は一段と均衡しつつあると指摘。企業の人員削減のニュースは景気後退のシグナルには見えないとし、消費は力強いとの見方を示した。

FRBのバランスシート縮小については、市場の流動性水準は引き続き堅調だとし、停止前に縮小ペースを鈍化することを支持すると表明。どの時点で市場の流動性が過度に逼迫するか不確実性が強いため、そうした措置が重要だと指摘した。

ハーカー総裁は今年の連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を持っていない。

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