豚熱、水際対策強化を/韓国での感染拡大受け 青森県が会議

 豚やイノシシに感染するアフリカ豚熱(ASF)が韓国・釜山で拡大し、日本へのウイルス侵入リスクが高まっていることから青森県は22日、初の防疫体制推進会議を県庁で開いた。オンライン参加を含む県や市町村、関係団体の担当者ら約50人が、水際対策の強化方針を共有した。

 アフリカ豚熱は感染すると致死率がほぼ100%とされ、畜産業への打撃が懸念される。日本での発生はまだ確認されていないが、アジアでは2018年8月に中国で発生して以降感染が拡大。九州に近い釜山では23年12月に初めて発生して以降、日本と往来する空港や港の付近でも頻発し警戒が強まっている。

 会議では、県畜産課の担当者がアフリカ豚熱の特徴や感染状況を説明。対策として農場の衛生管理や野生イノシシの監視を続けるほか、感染した肉製品を介してウイルスが持ち込まれる恐れがあることから、旅行者らへの畜産物持ち込み禁止や靴底の消毒を徹底するよう呼びかけた。

 県は今後、防疫計画を作成し防疫演習も行う方針だ。

 村井孝生課長はあいさつで「アフリカ豚熱は感染力が強く有効なワクチンもない恐ろしい病気。まずは国内に入って来ないよう、県でも空港や港などできちんと対策していきたい」と話した。

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