「むかしどり」でも「しゃく」でも「せき」でもありません。「鵲」の読み方、知っていますか?【漢字クイズ】

本記事では意外と読めない漢字のクイズを出題します。本記事でご紹介するのは「鵲」です。

「鵲」の読み方は?

「鵲」は「昔」と「鳥」で成り立っています。とはいえ、その読み方は「むかしどり」でも「せきちょう」でもありません。「鵲」という漢字は、一般的にはあまり使われていませんが、日本の古典文学や詩歌に登場することがあります。

「鵲」は鳥の名前を表します。

まずは正解を見てみましょう。

正解は……

「カササギ」です。

_______________________________

_______________________________

【漢字解説】

「鵲」を辞書で引くと、以下のように説明されます。

カラス科の鳥。全長約45センチ。尾が長く、肩と腹が白く、ほかは緑色光沢のある黒色。雑食性。ユーラシア大陸と北アメリカ西部に分布。日本では佐賀平野を中心に九州北西部にだけみられ、人里近くにすむ。天然記念物。かちがらす。朝鮮烏。高麗烏。

出典:小学館 デジタル大辞泉

日本では九州北西部にだけみられる鳥ですが、海外ではイギリス、ヨーロッパ全域、ロシア平原、中央アジアなどさまざまな場所に生息しています。

そんな「鵲」は、古くから中国や日本の伝説や民話に登場しています。特に有名なのが七夕の物語に登場する鵲の存在です。

天の川の両岸に分たれた2人が七夕(7月7日)の夜にだけ再会するという物語は、なんと記録には中国漢代の「古詩十九首」にまで遡ることができるといわれています。「古詩十九首」は中国南朝梁の昭明太子蕭統(501年〜531年)の手による文芸集『文選』の巻二十九に収められた、作者未詳(無名氏)の19首の五言詩を指します。501年〜531年の出来事です!

古代の七夕伝説において、鵲は、川を渡ることができずに対岸で涙を流す2人に同情して、集まって翼を並べて橋をつくり、分たれた2人は鵲の橋のうえで束の間会うことができたのです。

なお、中国では鵲はめでたい鳥とされています。迷信でカササギが鳴くとよいことがあると信じられており、そんな鵲の通称は「喜鹊(xǐ・que)」で「喜」という漢字が含まれています。

参照サイト:カササギ(カチガラス)の紹介 / 佐賀県

参考文献

  • 川田耕『中国における七夕伝説の精神史』(2016年)京都先端科学大学学術リポジトリより
  • 白水社 中国語辞典

© 株式会社主婦の友社