鹿児島県内の暴力団員 10年で3分の1に 2023年は過去最少160人 県警まとめ 背景に資金難、組織離れ進む

 2023年の鹿児島県内の暴力団構成員・準構成員は、統計の残る2005年以降、最少の約160人(前年比10人減)だったことが県警のまとめで分かった。10年前と比較して3分の1に減っており、暴力団の組織離れが進む実態が浮き彫りになった。

 22日の定例会見で、井上昌一刑事部長は「近年の暴力団排除の進展や取り締まりに伴い、資金獲得に窮した構成員の組織離れが進んでいる」と分析した。

 組織犯罪対策課によると、県内の暴力団員数は05年の約770人がピーク。23年までに約8割減ったことになる。

 鹿児島に本部を置く指定暴力団四代目小桜一家は、18~22年に約80人を維持していたが、5年ぶりに約10人減少。県外暴力団は約90人(前年から増減なし)のうち、六代目山口組が約50人、神戸山口組と絆會がそれぞれ約10人、その他団体が約20人だった。

 23年の暴力団が絡む主な事案は、覚醒剤取締法違反(使用)の疑いで四代目小桜一家傘下組織組員の無職男を逮捕した事件や男性の顔面を殴るなどして義務のない送迎を強要した疑いで逮捕された四代目小桜一家傘下組織幹部の無職男の事件など。摘発件数・人員は41件42人(暫定値)で、13年の103件96人から大幅に減っている。

 井上刑事部長は「暴力団に絡むトラブルに巻き込まれたら1人で悩まず相談して。匿名でも情報提供してほしい」と訴えた。

【グラフ】鹿児島県内の暴力団構成員・準構成員数の推移

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