青森で個展「力湧いた」 能登地震被災 石川の画家・中西真三さん 友人森内さん 「支援広がれば」

チャリティー個展の作品について語る森内さん。中西さん手作りの額に入った作品も並ぶ
募金活動を行った国際ロータリークラブ第2830地区(青森県)のメンバー。手前左が森内さん

 1月の能登半島地震で被災した石川県穴水町の画家・中西真三(しんぞう)さん(73)のチャリティー個展が、青森市新町のギャラリーNOVITA(ノビタ)で開かれている。中西さんは「青森から届くたくさんの応援メッセージに生きる力が湧いた。絵描きとして描き続けなければと背中を押された」と語っている。

 「中西真三展 LOVE」では抽象画と具象画を約30点展示しており、15号の大作からはがきサイズの小品まで、期間中も随時補充していく予定。ギャラリー側が通常受け取る出展経費を取らず、絵の売り上げ全額を中西さんに託して地域支援に使ってもらうという。

 中西さんとNOVITAのオーナー・森内忠良さん(70)は50年来の友人。森内さんが学生の頃、金沢市内で開かれていた絵画サークルで知り合った。その後も交流は続き、1級建築士の森内さんが、中西さん経営の画廊「ギャルリーオマタ」を設計した。

 能登地震で穴水町では震度6強を観測。建物は無事だったが、作品が床に散乱した。山の中腹にあるアトリエはさらに被害が大きく「まるで地獄のような光景だった」と中西さん。片付けに追われながら、時間を見つけては絵を描く日々を送る。「絵を描くことが心の癒やし。少しずつ前を向いていけたら」と話す。

 森内さんは地震直後、国際ロータリークラブ第2830地区(青森県)の仲間と募金活動を行い、日本赤十字社を通じて90万円近くを寄付した。「被災者の力になりたい人の思いを伝えるため、受け皿になろうと考えた。支援の輪が広がれば」と期待する。

 個展は3月12日まで。開館は午前10時~午後5時(日・祝日除く)。入場無料。問い合わせはNOVITA(電話017-773-3746)へ。

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