整備場所「全県の論点で」 統合新病院 県・市有識者座長 見解

整備場所に関する検討状況の報告を受けた有識者会議。地域医療連携推進法人の活用についても意見を交わした=23日

 県立中央病院と青森市民病院(ともに青森市)の統合新病院整備に関する内容を検討する県と市の有識者会議は23日、青森市のホテル青森で第3回会合を開き、市が設置した検討会議による整備場所の議論について報告を受けた。有識者会議の座長を務める弘前大学の福田眞作学長は、個人的な意見とした上で「市にとってどうあるべきかの論点が強かったと感じている。県民の病院としての議論について、この(有識者)会議で意見をいただければ」との見解を示した。

 整備場所については市が現在、検討会議の議論内容を取りまとめている。次回以降の県・市有識者会議で、その内容を踏まえメンバーが議論する。

 市の検討会議は昨年11月から3回会議を開き、従来の3候補地(旧青森商業高校・県病エリア、青い森セントラルパーク、県総合運動公園)に国道7号沿いの外環状線周辺を加え、災害リスクやまちづくり・通院アクセスなどの論点からデータに基づいて議論した。会議メンバーの多数が、青い森セントラルパークを第1候補地に挙げた。

 23日の有識者会議で、福田学長は整備場所の検討について「県民の病院ということの議論が、少し足りないのではないかと感じている」と意見を述べ、次回以降の会議に向け「有識者会議の市外からのメンバーの方々からも、意見をいただきたい」と語った。

 平内中央病院の首藤邦昭院長は「統合新病院が40年たった後に、さらに次の病院を建てる場所をどうするかという議論をやり直すのだろうか。(市の検討会議では)次の次の病院に関する議論はあったか」と質問。市の検討会議の座長も務める青森公立大学の足達健夫准教授は「40年後の青森が都市としてどうなっているかは、かなりデータがいろいろ変わるだろう。まずは現在の青森、今後20年ぐらいの都市計画に照らして話し合った」と答えた。

 有識者会議では、統合に向けた地域医療連携推進法人についてもメンバーから意見を募った。2024年度に、まず県と市による法人を設立するとの事務局の考え方に対し「初めから民間の医療機関が参画したほうがいいのでは」「できる限り早く設立をお願いしたい」などの意見が出た。

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