陸自・相浦駐屯地で初のIF訓練 米海兵隊と共同、離島防衛を想定 長崎

「アイアン・フィスト24」の訓練開始式で握手を交わす辻1佐(右)とダナー大佐=佐世保市大潟町、陸自相浦駐屯地

 離島防衛を想定した陸上自衛隊と米海兵隊との共同訓練「アイアン・フィスト24(IF、鉄の拳)」が25日、長崎県佐世保市の陸自相浦駐屯地など九州・沖縄の4県で始まった。3月17日まで。水陸両用作戦や指揮機関訓練などで、日米の対処力や抑止力を強化する。日本版の海兵隊とも呼ばれる「陸自水陸機動団」の本部を置く相浦駐屯地で同日、訓練開始式があった。同駐屯地でのIF訓練は初めて。
 開始式で日米双方の指揮官があいさつ。日本側の第2水陸機動連隊長、辻一1等陸佐は「南西地域における、島しょ防衛のための日米共同の水陸両用作戦遂行能力などを向上させ、日米同盟の結束の強さを示すことができる」と訓示した。米側の第31海兵機動展開隊長、マシュー・ダナー大佐は「同盟国も敵対勢力も、われわれの比類なき統合水陸両用能力などを認識すべきだ」と述べた。
 相浦駐屯地では25日~3月3日まで、日米共同で指揮官による図上訓練がある。鹿児島県の沖永良部島でも初の訓練があり、着上陸訓練などに取り組む。沖縄県民への負担軽減のため、訓練場所を分散させたという。日本側は陸自と海上自衛隊から約800人、米側は沖縄に駐留する同展開隊や海軍第7艦隊など約1300人が参加する。
 IFは2005年度から米本土で実施しており、18回目。22年度から初めて日本国内に移った。

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