「まるでスポーツ映画のようなキャリア」引退発表の岡崎慎司が残した“特異な功績”を海外メディアが称賛!「ヒーローには様々な形があると思い出させてくれた」

シント=トロイデンに所属する元日本代表FWの岡崎慎司が2月26日、今シーズン限りでの現役引退を発表した。

現在37歳の岡崎は、これまで清水エスパルス、ドイツのシュツットガルトとマインツ、イングランドのレスター、スペインのウエスカとカルタヘナでプレー。最後はベルギーでユニホームを脱ぐ決断をした。

レスターでは不動のレギュラーとして“奇跡のプレミアリーグ制覇”に貢献。119キャップを刻んだ日本代表でもワールドカップに3大会連続で出場し、歴代3位の50得点をマークしている。

その輝かしいキャリアを海外メディアも称賛。カナダの放送局『BNN』は「シンジ・オカザキ。根性と勝利の功績。プレミアリーグの英雄が引退を発表」と題した記事を掲載している。

「華やかな選手が称賛されることが多いこのスポーツにおいて、時に最も深い痕跡を残すのは、絶え間ない意志と静かな粘り強さの物語だ。オカザキは、まさにそれを象徴するキャリアの幕を引く。元日本代表でプレミアリーグのタイトルホルダーは、チームをサッカー界で最もおとぎ話のような勝利に導いた弱者のスピリットという特徴的な功績を残して別れを告げる」

【画像】レジェンド岡崎の引退発表に古巣レスターがメッセージ
同メディアは「オカザキのキャリアの軌跡は、まるで弱者のスポーツ映画の脚本のようだ。Jリーグの清水エスパルスでの初期の頃から、シュツットガルトとマインツでのブンデスリーガでの重要な任務を経て、レスターでのプレミアリーグでの成功での最高潮に達するまで、各章が彼の物語に深みを与えた」と続けている。

「彼の旅は個人的な栄誉だけではなく、その存在が周囲の人々をいかに高揚させたかについても語られた。クラウディオ・ラニエリ監督率いるレスターでの2015-16シーズンは、彼の影響力を証明するものとなった。ニューカッスル戦での忘れられないオーバーヘッドキックを含む、36試合で5つの重要なゴールを決めた彼は、5000分の1のオッズをものともせずプレミアリーグのタイトルを獲得したチームのスピリットを体現した」

記事は、「サッカー界は彼のキャリアが与えた影響を振り返っている。それはゴールやタイトルだけではない。それは彼のプレースタイルに関するものだ。彼の引退発表は、一つの時代の終わりを告げるだけでなく、忍耐力、チームワーク、卓越性の絶え間ない追求といった、スポーツにおける最高の姿を定義する価値観を思い出させるものでもある。」と賛辞を続けている。

「ラニエリ監督がレスターの精神と成功に対するオカザキの貢献を称賛したことは、彼がクラブとスポーツ界に残した消えない足跡を強調している」

そして、「サッカーの物語が華やかな出来事によって支配されることが多い時代において、オカザキの功績はハードワークと決意の力の証である」と綴り、こう締め括っている。

「清水でのささやかな始まりからプレミアリーグの栄光の頂点に至るまでの彼の物語は、ヒーローには様々な形があるということを、説得力をもって思い出させてくれる。オカザキがシューズを脱ぐとき、ゴールや勝利の記憶だけでなく、世界中の無数の野心的なサッカー選手たちに、大きな夢を抱き、懸命に働き、そしておそらくは自分自身の弱者の物語を書くよう促すという功績を残した」

常にひたむきに、貪欲にプレーする姿は、世界に感銘を与えたのだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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