能登半島地震の被災者向けに石川県が珠洲、能登、穴水の3市町で整備を進めていた応急仮設住宅計131戸が28日完成した。能登町と穴水町では初めてとなる計81戸が設けられ、能登町では3月1日、穴水町では2月29日から被災者に引き渡される。
能登町では鵜川の旧鵜川小グラウンドに1Kと1DKが35戸、2Kと2DKが26戸、3Kが5戸の計66戸が建てられた。敷地内では2期分として15戸が着工済みで、最終的に計81戸が整備される。
穴水町川島児童公園では1Kが6戸、2Kが6戸、3Kが3戸の計15戸が設けられた。県の完成検査を経て引き渡される。
珠洲市では2カ所目として、みさき小グラウンドに1Kと1DKが21戸、2Kと2DKが21戸、3Kが8戸の計50戸が完工した。入居は3月2日に始まる。
馳浩知事は27日行われた県議会2月定例会代表質問での答弁で、3月末までに県全体で4600戸の着工にめどが立ったとし、建設を急ぐ考えを示している。
●七尾で仮設入居開始 ようやく落ち着ける
七尾市で28日、被災者向けに建設された応急仮設住宅への入居が始まった。市内では初の入居となり、35世帯76人が入る予定。部屋の設備を確認した住民は「ようやく落ち着ける」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。
入居が始まったのは、万行2丁目の公園に整備された1DK16戸、2DK14戸、3K5戸。風呂やキッチン、トイレ、冷暖房を整備した。
湊町の自宅が半壊し、市内の姉の家に身を寄せていた村本浩美さん(58)は「ようやく迷惑を掛けずに生活できる。水が出ることがうれしい」と話した。
市は3月下旬までに仮設住宅計341戸の入居を目指している。ただ、入居申し込みが391件あるため、追加整備を急ぐ。