鹿児島ロケット5号機打ち上げ「成功」 パラシュート正常に作動 肝付・辺塚海岸

上昇する鹿児島ロケット5号機=28日午後2時31分、肝付町岸良

 鹿児島大学や第一工科大学などでつくる「鹿児島ハイブリッドロケット研究会」は28日、鹿児島県肝付町の辺塚海岸で、小型の「鹿児島ロケット5号機霧島レイ号」を打ち上げた。4号機の失敗原因となったパラシュート2個は正常に作動したとみられる。同会は「打ち上げは成功」とした。

 ロケットは全長2.6メートル、直径14センチ、重さ20キロ。昨年3月に打ち上げた4号機は、発射直後にパラシュートが予定より早く開き、軌道を外れた。5号機はパラシュートを収納する容器などに対策を施した。

 無線で受信したデータによると、パラシュートの1個目は機体が頂点から落下し始めて開き、2個目は海面に近づいて開いた。

 研究会によると、パラシュートが切れたため機体は回収できず、加速度などのデータは得られなかった。高度は1キロを超えたとみている。高度は2キロを想定していた。

 パラシュートの改良に取り組んだ鹿大大学院修士2年の平山晴菜さん(24)は「ホッとしたが、課題も見つかった」。代表の片野田洋鹿大大学院教授は「全てのデータが得られなかったのは残念だが、パラシュートの動作は予定通りだったので満足している」と話した。

 発射は肝付町との共催。研究会は宇宙空間への小型衛星打ち上げを目指し、2019年から小型ロケットを打ち上げている。

© 株式会社南日本新聞社