「思い出はなくならない」利用終える校舎で最後の卒業式 70年以上の歴史に幕 福島・いわき市

慣れ親しんだ校歌をこの校舎で歌うのは、最後になりました。福島県いわき市の山あいにある、いわき湯本高校遠野校舎。旧遠野高校から70年以上続いたこの校舎も、生徒が通うのはきょうが最後です。

いわき湯本高校遠野校舎卒業生・嶋崎智也さん「少ない人数だったからこそ、クラスメイトとの絆を一層深めることができました」

遠野高校は、生徒数の減少を受けておととし湯本高校と統合し、遠野校舎にはいまの3年生のみが通っていました。最後の卒業生は30人。代表の生徒に卒業証書が手渡されました。

実は、この卒業証書、地元で500年以上続く伝統の遠野和紙で、生徒たちが心を込めて自ら紙すきを行ったものです。

卒業生・嶋崎智也さん「遠野校舎がなくなってしまっても、私たちが過ごした思い出はなくなることはありません」

卒業生の姉「最後ということで感慨深いものがあった。私もこの高校に3年間通っていたので寂しく思った」

卒業生の父「感慨深いですね。始まりがあれば終わりがあるが、終わりの時に立ち会えて」

校舎に今後生徒たちが通うことはありませんが、慣れ親しんだ校舎は「地域の宝」です。

卒業生・大隅輝弥さん「寂しい気持ちもありますが、卒業できてとてもうれしく思う。自然あふれる学校で先生ひとりひとりが生徒に寄り添ってくれる、とてもいい校舎」

最後を迎えた遠野校舎の伝統は、いわき湯本高校に受け継がれていきます。

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