トップ選手に助言、世界で「ナイスオン」 ゴルフ・プロキャディーの中村さん(山形)が意欲

国内外のツアーに参戦し、プロキャディーとして経験を積んでいる中村凜さん=山形市

 より専門性の高いゴルフのキャディー「プロキャディー」は、トーナメントコースを事前踏査して起伏などを分析し、選手の癖や特徴を踏まえた的確な助言を行う。プロゴルファーを精神面でも支える重要な役割だ。その若手の一人が山形市にいる。中村凜さん(22)=mahimahi(マヒマヒ)代表=は選手のベストパートナーとして国内外での活躍を目指し、意欲を燃やす。

 プロキャディーは、国内では1990年代から注目され始めた。風の向きと強さ、グリーンや目標地点までの距離を基にコース戦略を練り、選手にアドバイスする。国内では150人ほどが活動している。

 中村さんは5歳でゴルフを始め、祖母と一緒にコースに出るなどしていた。プロゴルファーを目指して東北福祉大に進学した。練習環境に恵まれたが「国内トップ級の選手に衝撃を受けた」という。プロ選手への道は険しく、活躍し続けるのは、簡単ではない。大学3年時に同じゴルフ部の選手のキャディーとして日本アマチュア選手権優勝を経験し、プロキャディーを目指すきっかけとなった。この年の11月に大学を中退。米国やシンガポールなどでのプロツアーに同行し、世界のレベルを体感した。

 ツアーでは重さ約20キロのバッグを担ぎ、1日24キロほどの距離を歩く。選手同様、オフシーズンも体力づくりは欠かせない。今季は男女2人のプロ選手の相方を務める。いずれは外国人選手を含め、世界で活躍するトッププロのキャディーを務める、という目標がある。「キャディーのレベルを年々上げ、もっともっと上に行きたい」。挑戦は始まったばかりだ。

 ▽中村凜(なかむら・りん) 2001年12月生まれ。山形市出身。日大山形高から東北福祉大。高校ではゴルフ部のほか、スキー部に所属し、アルペン競技に取り組んだ。

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