写真で伝える被災地のいま 能登半島地震発生から2カ月 鉄骨だけのビル、地面を埋める家屋の残骸…

火災で焼失した輪島朝市は大規模捜索が終了。通行規制が解除され、通りを行き交う人が見られた=1日午後3時30分、石川県輪島市

 死者241人、住家被害7万6千棟超の被害を出した能登半島地震は1日で発生から2カ月となった。被災地では同日現在も公民館などの1次避難所で5400人以上が生活している。

 鉄骨だけのビル、地面を埋める家屋の残骸…。火災に遭った石川県輪島市の「輪島朝市」周辺では道路のがれきは片付けられていたが、2カ月を経ても街の光景は変わっていなかった。

 「いつか、またにぎわいを」。近くで洋品店を営み、自宅が被災した向憲龍(むかいけんりゅう)さん(81)は1日、市外の避難先から戻り、そう願った。断水は続くが、ポリタンクで井戸水を運ぶ足取りは力強かった。

 同県穴水町の避難所は、段ボールベッドをカーテンで仕切った空間で避難者が寝起きしていた。「住み慣れた土地で暮らしたい」と、避難した金沢市内から戻った女性(91)もいた。

 本県からもボランティアや市町などの支援が続いていた。「支援を頂いているので頑張れる」。穴水町職員の岩本望(いわもとのぞみ)さん(26)は自宅が全壊しても、職務に奔走していた。

 輪島、穴水両市町を2月27日~3月1日に歩いた本紙記者が被災地の今を写真で伝える。

避難所を訪問したボランティアが被災者の女性(右)に「肌がきれいね」と話しかけると、女性は頬に手を当て、うれしそうに笑顔で応えた=2月28日午前11時10分、石川県穴水町
段ボール製の居住スペースが並ぶ避難所で、宇都宮市のボランティアスタッフ菊池順子さん(手前右)は足湯を提供して被災者を癒やした=2月28日午前10時20分、石川県穴水町
多くのボランティアと力を合わせ、災害廃棄物の撤去作業に汗した矢板市の介護福祉士木川佳明さん(右から2人目)=2月28日午後2時30分、石川県穴水町
災害廃棄物は仮置き場に次々と持ち込まれ、山積みとなっている=2月29日午前9時35分、石川県穴水町
輪島朝市の火災で焼け、鉄骨などがむきだしとなった建物のそばにささげられた花束=1日午後4時15分、石川県輪島市
15戸分のスロープ付き仮設住宅が完成し、内覧会後には早速入居が始まった=2月29日午前10時50分、石川県穴水町
行政支援で石川県に入り、穴水町職員の岩本さん(左から2人目)と一緒に、罹災証明の手続きに携わる大田原市職員の森本和雅さん(左)=2月27日午後3時45分、石川県穴水町
乗用車を巻き込んで崩れた住宅。地震の爪痕は今も多くの場所に残る=2月29日午後4時5分、石川県穴水

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