鹿児島で女性は昇進できない?…県内6大学の女性教授、たったの13% 副学長・学部長はさらに少なく

(イメージ写真)

 鹿児島県内6大学の教授に占める女性割合は平均で13.6%にとどまることが、南日本新聞社の調べで分かった。教員に占める割合は平均24.0%で、上位職になるほど低くなり、ジェンダー平等が道半ばにある実態が浮かんだ。全国的な傾向も同じで、識者は業績評価が男性中心となっていると指摘する。

 2月に、2023年末時点の状況を聞いた(鹿児島大のみ23年5月時点)。

 各大学の教授に占める女性割合は、国立の鹿児島大9.1%、鹿屋体育大13.0%。私立の鹿児島国際大29.5%、志學館大20.0%、鹿児島純心大40.9%、第一工科大0%。全国平均は国立12.0%、私立22.3%(23年度学校基本調査)。

 副学長や学部長に就く女性はさらに少なく、副学長は鹿大にいる1人のみ。学部長では、鹿大が全13人中女性1人、鹿国大4人中1人、志學館大2人中0人、鹿純心大2人中2人、第一工大2人中0人(鹿屋体大は学部長なし)。学長は6校のうち3校で女性が務めている。

 教員全体に占める女性割合は、鹿大20.9%、鹿屋体大14.5%、鹿国大40.3%、志學館大33.9%、鹿純心大64.1%、第一工大6.2%だった。

 九州大学の河野(かわの)銀子教授(教育社会学)は、日本の課題として教員候補となる学生の女子割合が伸び悩んでいることを問題視。さらに、昇進の業績評価に当たっては論文数だけで判断する大学が多く、「出産や育児期の女性に公正な仕組みになっていない」と指摘する。

 人材育成を担う大学のジェンダー平等実現は急務だと言い「女性教員の方が、教育や地域貢献などを多く担う傾向にあるが、研究以外の業績は評価されづらい。多面的な評価と透明な人事が必要だ」と語った。

県内6大学の女性教員と教授の割合を一覧表で確認

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