輪島朝市の味、復活へ一歩 避難の組合員ら干物作り 23日・金沢で出張開催

干物用のアカウオのうろこを取る組合員=6日午前9時半、金沢市金石西1丁目

 23日に金沢市金石地区で出張開催する輪島朝市に向け、出店する輪島市朝市組合の組合員は6日、金石西1丁目に新設されたプレハブの加工場で水産物の加工を始め、「朝市の味」復活へ一歩を踏み出した。

 金沢に2次避難する人や輪島市から駆け付けた8人の組合員が共同で作業を進めた。金石産のしょうゆにアカウオを漬けた干物は朝市でも人気の商品といい、組合員は冷凍のアカウオのうろこを取って三枚に下ろし、しょうゆに漬ける工程を手際よく進めた。

 能登半島地震後、初めて魚を加工した二木洋子さん(71)=輪島市輪島崎町=は「作業できるのがうれしい。腕はにぶっとらんね」と笑顔を見せた。

 石川県内最大の漁獲量を誇る輪島港では、約200隻の漁船が海底隆起により港から出られない状況が続いている。二木さんは「本当は輪島の魚を使いたいが、今はできることをやるしかない」と話した。23日に向けて週3~4回作業し、金沢や七尾、県外産も使いながらサバのしょうゆ漬けやノドグロ、ハタハタ、ササガレイの塩漬けなど約千人分を用意する。

 23日の出張輪島朝市は、組合から水産加工品や工芸品など31店が参加する見通し。県漁協金沢支所に輪島朝市のシンボルであるオレンジ色のテントを並べ、金石などの8店もブースを設ける。

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