初のルヴァン杯でJ2千葉撃破…鹿児島ユナイテッドFC「置かれたところで120%の力を注ぐ」 リーグ戦の勢い加速させた控え選手の魂 2回戦は4月17日、J1東京V@白波スタジアム

前半、シュートを放つ鹿児島ユナイテッドFCの有田(9)=白波スタジアム

 Jリーグ・YBCルヴァン・カップ1次ラウンド1回戦が6日開幕し、J2の鹿児島ユナイテッドFC(鹿児島U)は鹿児島市の白波スタジアムでJ2千葉に1-0で勝利した。

 ほかにニッパツ三ツ沢球技場などで8試合があり、J3の4クラブがJ2勢を破って2回戦に進出した。

 YS横浜は水戸に1-0、琉球は藤枝に2-1、沼津は仙台に3-2、北九州は延長で大分に1-0で競り勝った。

 1回戦残り8試合は13日に行われ、4月の2回戦からJ1勢が登場。鹿児島Uは4月17日に白波スタジアムで東京Vと対戦する。

 大会はトーナメント方式に刷新された。1次ラウンドはアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)決勝トーナメント出場の横浜Mなど3クラブを除く57クラブが10組に分かれ、各組を制した10クラブが8強を懸けたプレーオフに進む。

 【評】鹿児島Uが1点を守り抜いた。前半から主導権を握り、藤本らがシュートを放つが得点はならなかった。0-0で迎えた後半27分、MF中原がペナルティーエリア内で倒されて獲得したPKを、FW鈴木が落ち着いて右上に決め先制点を奪った。

 千葉は後半に攻め込む場面を増やしたが、決めきれなかった。

 「誰が出ても同じように戦える」。昨季からそう言い続けた大島康明監督の自信を、選手たちが体現して見せた。鹿児島UはJ1昇格候補の呼び声高い千葉に、PKの1点を守り切って勝利。指揮官は「このクラブには、勝利のためにハードワークできない選手はいない」と満足げだった。

 リーグ戦から中3日、先発メンバーを10人も入れ替えた。出場機会の少ない選手たちは燃えた。前半から福田や西堂が持ち前のドリブルで切り込み、流れを引き寄せる。攻撃の勢いを保ち、後半27分にPKで得点。1勝1分けと好調なリーグ戦の勢いそのままに、アグレッシブなスタイルを披露した。

 リーグ2試合で6得点を挙げた千葉相手に無失点。体を張って貢献したDF広瀬は「みんなリーグ戦に出たい思いもあるけれど、置かれたところで120%の力を注ぐことがチームの底上げにつながる」と強調した。

 鹿児島Uが初めて参戦したルヴァン杯で貴重な1勝を挙げ、選手も酔いしれた。ゴールを決めた鈴木は「記念すべき一日になった」と笑顔を見せた。

前半、相手と競り合う鹿児島ユナイテッドFC・中原=白波スタジアム

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