“元気印”で百戦錬磨の長友佑都なら冨安健洋が指摘した「熱量問題」も...。ベテランの偉大さを示す絶好の機会だ【日本代表】

37歳の長友佑都が日本代表に電撃的に復帰。3月21日、26日の北朝鮮との連戦(北中米ワールドカップのアジア2次予選)を戦うメンバーに選ばれた。

カタール・ワールドカップ以来1年3か月ぶりに森保ジャパンに招集された長友は今季ここまでFC東京の一員としてJ1リーグの3試合に出場。4-3-3システムの右サイドバックとしてプレーしている。

正直、長友のFC東京でのパフォーマンスは最高とは言い難い。2節のサンフレッチェ広島戦では右サイドからのクロスで荒木遼太郎のゴールをお膳立てするなど決定的な仕事もしているが、全体的に「悪くない」という表現がしっくりくるレベルだ。組み立ての局面で大きな違いは作り出せず、攻撃面はやや単調。守備に専念させれば問題ないが、オフェンス面もとなると物足りない部分もある。

ただ、昨季は中村帆高が負傷離脱後、左右のサイドバックをこなすと、アビスパ福岡とのルヴァンカップ準々決勝初戦では「おそらく大学生以来」のCB(3バックの一角)も堂々と務めた。何より、コンスタントにピッチで戦えるコンディションを37歳でも維持できているのは超人的だ。

今回代表では中山雄太が負傷した影響もあって、長友は左サイドバックとして考えられている可能性が高い。今季FC東京では右サイドバックで起用されているが、そこは問題にならないだろう。昨季に左右のサイドバックやCBをやっているだけあって、臨機応変に対応するはずだ。

いずれにしても、このタイミングで代表復帰できたのは本人の努力と頑張りがあったからで、その点では本当に素晴らしい。先のアジアカップで冨安健洋が指摘した「熱量」の問題も、“元気印”で百戦錬磨の長友なら解決してくれるだろう。

ベテランの偉大さを示す絶好の機会。アジアカップではややまとまりに欠けていたチームをひとつにするのは、もしかしたらこの男かもしれない。

文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

© 日本スポーツ企画出版社