複数の女性に性的暴行を加えたとして逮捕・起訴後に自殺した元警視正について、警察庁が退職金を差し止める処分をしたことが関係者への取材でわかりました。
中国四国管区警察学校の岩本幸一元警視正(当時58)は、女性5人に性的暴行を加えるなどしたとして4回にわたって逮捕・送検されました。
一部の事件については裁判も始まっていましたが、2月17日、広島中央警察署の留置施設で自殺を図り、死亡しました。
警察庁はその後、元警視正が死亡した日をもって退職したとする手続きをとりましたが、遺族への退職金の支給については差し止める処分をしたことが関係者への取材で新たにわかりました。
差し止めの対象には、元警視正が中国四国管区警察局に出向する前、岡山県警に在職していた期間の退職金も含まれるということです。
「国家公務員退職手当法」には、在職中に懲戒免職処分などを受けるべき行為をした疑いがある場合、退職金の支払いを差し止めることができる規定があります。
元警視正は死亡後に書類送検された性的暴行事件も含め、「容疑者死亡」のため不起訴処分となっています。