2011年の原発事故で福島県双葉町から疎開してきたネコとの日々を記録した写真展が、高松市で開かれています。撮影したのは、ネコを引き取った、神奈川県横浜市に住む男性です。
「ハットリくん」と名付けられたネコです。2011年の原発事故を機に福島県双葉町で保護されました。
そのハットリくんの写真で、会場の壁一面が埋め尽くされています。
フリーカメラマンの森康志さん(43)です。縁あってハットリくんを引き取り、出会ってからの10年の日々を記録しています。
先日、2冊目の写真集を出版しました。
(フリーカメラマン 森康志さん)
「印象深いのは、この丸まっている1枚です。胎児みたいな恰好で。すごく好きなんですよね。人生を歩み始めた子どもと、これから年老いていくハットリくんがいながら、新しい命みたいなのをこの1枚が表現してくれているかなと思うんですよね」
写真には、ハットリくんと一緒に暮らす森さんの子どもたちも登場します。
最初は警戒心が強かったハットリくんでしたが、家族の一員として過ごすうちに日々穏やかな表情になってきたといいます。
(フリーカメラマン 森康志さん)
「今年も初めに能登で地震がありましたけど、幸せな生活と災害とか事故というのは本当に隣り合わせにあって」「1日1日を大事に写真に収めていきたいなと思いますね。愛を形にできる道具だと思っているんで、写真は」
森さんの「愛」が詰まった写真展「ハットリくんへ」は、高松市北浜町の「BOOK MARUTE」で3月31日まで開かれています。