ガザ民間人保護「不可欠」、米国防長官がイスラエル国防相と会談

Idrees Ali Matt Spetalnick

[ワシントン 26日 ロイター] - 米国のオースティン国防長官は26日、訪米中のイスラエルのガラント国防相と会談し、パレスチナ自治区ガザは「人道的大惨事」に見舞われており、民間人の保護が道徳的、戦略的に不可欠になるとの考えを示した。

オースティン長官はガラント国防相とワシントンの国防総省で会談。冒頭で「ガザ地区の民間人の犠牲があまりにも多い一方、人道支援はあまりにも少ない」とし、「ガザ地区は人道的大惨事に見舞われている」と述べた。

イスラエルのネタニヤフ首相は前日、国連安保理決議の採決に米国が拒否権を行使しなかったことを受け、予定していたワシントンへの代表団派遣を取りやめると発表。米国とイスラエルとの間の亀裂が深まっている。

国防総省は会談後、オースティン氏がガラント氏と率直かつ直接的な議論を交わしたと発表した。

オースティン氏は、ガザ最南部ラファのハマス過激派を標的にする別のアプローチについて話し合う意向を示していた。

国防省高官によると、オースティン氏は、イスラエルがラファのハマス戦闘員のみを標的にする方策について議論したという。

イスラエルによるガザ攻撃は、緊密な同盟関係にあった米とイスラエルとの間の相違を拡大させている。ネタニヤフ氏がバイデン大統領の制止を無視して攻撃に踏み切った場合、米国が軍事支援を制限する可能性も取り沙汰されつつある。

ただオースティン氏は、イスラエルと米国の安全保障上の絆は「揺るぎない。米国はイスラエルの最も親しい友人であり、それは変わらない」と述べた。

また、ホワイトハウスによると、サリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)がガラント氏と2日目の会談を行い、ガザへの人道支援物資搬入を増やす必要があると伝えた。

ガラント氏はその後、ガザで拘束されている人質解放に向けたカタールでの交渉から帰国したばかりのバーンズ米中央情報局(CIA)長官とも会談した。

ガラント氏は記者団に対し、イスラエルの安全保障における対米関係の重要性を強調。「米国と価値観の100%と利益の99%を共有している」と語り、米国との緊張を和らげようとする姿勢を示した。

一方で、ハマスを壊滅させる方針も明確にしたと強調した。

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